事業再生・債権管理Newsletter 2021年5月号を発行いたしました
2021.05.11
事業再生・債権管理Newsletter 2021年5月号を発行いたしました。
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1. 所有権留保の落とし穴 ~最判平成21年3月10日を振り返る~(弁護士 大江 祥雅)
第1 はじめに
次の事案において、Y社は、X社に対する債権の回収のために所有権留保を設定していたにもかかわらず、X社の経営危機が迫っているときに、なぜかあえて折角の所有権留保を 放棄してしまいました。なぜY社はわざわざ権利を放棄したのでしょうか。
今回は、所有権留保の落とし穴を紹介したいと思います。
① X社は動産(以下「本件動産」)を所有し、これを事業に用いている。
② Y社は、X社に対して本件動産の売掛金等の債権を有しているところ、本件動産について所有権留保を設定していた。
③ 本件動産は、X社の倉庫などにあるのではなく、X社の顧客(以下「X社顧客」)の敷地に設置されており、顧客へのサービス提供において用いられている。
④ X社は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、経営が危機に瀕した。
⑤ X社は、Y社に対して支払の猶予を求めるなど交渉し、Y社は分割払いに応諾したが、その合意書の中で、Y社は本件動産に対する所有権留保を放棄した。(続きはPDFをご覧ください)
2. 令和3年5月1日からスタートする不動産情報の取得制度について(弁護士 山本 翔)
第1 はじめに
令和元年5月10日に「民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、令和2年4月1日から、一部を除き、改正法が施行されていたところです。この改正では、債務者の財産状況の調査に関する制度の実効性を向上させるため、財産開示手続の見直しを行うとともに、第三者からの情報取得手続の新設等の改正を含むものですが、不動産に関する情報取得手続が令和3年5月1日からスタートすることとなったため、その内容を簡単にご紹介させていただきます。( 続きはPDFをご覧ください)