事業再生・債権管理Newsletter 2021年12月号を発行いたしました
2021.12.14
事業再生・債権管理Newsletter 2021年12月号を発行いたしました。
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1. 連帯保証が無効になってしまわないように ~個人根保証契約と無償行為否認について~(弁護士 大江 祥雅)
第1 はじめに
本稿を執筆しているのは11月中旬で、新型コロナウイルス
感染症は第5波が過ぎ去って落ち着いていますが、経済的に悪影響を受けた企業は多く、その体力の回復には相当程度の期間を要すると考えられます。ダメージを受けた企業は、収支改善に努めつつ、政府からの補助金や、政府系金融機関からの融資を受けるなど対策を講じていると思いますが、一方でダメージを受けた企業と取引を継続している場合や、新規に取引をする場合、将来倒産するおそれを踏まえてどのように債権回収を保全するのかという問題があります。
本稿では、昨年4月の民法(債権法)改正で極度額の設定が一律必要となった個人根保証契約と、新規に保証契約を締結できたものの、間もなく保証人が倒産してしまった場合における保証の有効性についてお伝え致します。...(続きはPDFをご覧ください)
2. 倒産手続における保険契約の取扱いの相違(弁護士 松永 崇)
1 はじめに
保険契約は、何十年間、場合によっては終身期間の契約となっているものもあります。保険事業者(保険会社を含みます。以下同様です。)は、契約者保護の観点から、法令により、財務の健全性を保つことが義務付けられていますが、それでもなお、長期の契約期間中に経済が大きく変動し、経営状態の良かった保険事業者でも倒産する可能性があります。
1990年代から2000年代にかけて、保険会社の倒産事例がいくつか発生した後は、日本において保険事業者が倒産することはしばらくありませんでしたが、2020年に東京地方裁判所で保険事業者の民事再生の事案が発生しており、今後も保険事業者の倒産事案が発生する可能性があります。
以下では、保険事業者が倒産した場合を中心に、倒産手続における保険契約1の取扱いを解説いたします。... ( 続きはPDFをご覧ください)
3. 連載コラム:コロナ禍の倒産案件の動向④(最終回)―会社更生編―(弁護士 宮本 聡)
1 近年の会社更生の利用状況
御存じのとおり、債権者は、確定判決等の債務名義を取得した後、債務者に対して、債務者が第三者に対して有する債権を差し押えることができます。もっとも、債務者が第三者に対して有する債権のうち、一部の債権についてはこれを差し押さえることが禁止されています。どのような場合に、差押えが禁 止されているか事前に理解しておくことで、有事の際に適切な判断・対応が可能となります。
そこで、本稿では、自然災害義援金に係る差押禁止に関する法律が制定・施行されたことを受け、その概要・背景等をご紹介させていただきます... ( 続きはPDFをご覧ください)