中国最新法律Newsletter Vol.6を発行いたしました
2022.01.24
中国最新法律Newsletter Vol.6を発行いたしました。
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1. 中国の反外国制裁法と外資企業の留意点(弁護士 竹田 昌史、外国法事務弁護士・上海翰凌法律事務所 律師 紀 群 共著)
一、立法の背景
近年、米国等による中国の企業、組織及び個人に対する経済的圧力や規制が日増しに強化される中、それらの圧力や規制に対する防御及び対抗措置として、中国は一連の報復的措置を相次いで講じてきました。例えば、米国等が香港、新疆、チベット、台湾、人権問題等について中国に講じた経済的圧力や差別的な措置、米国内の中国メディアへの管理強化等に対抗するために、中国は、米国の関連機関や個人及び複数の米国メディアに対して、財産の申告、査証発行の制限及びインタビューの制限といった一連の対等な制限措置を次々と講じました。 ...(続きはPDFをご覧ください)
2. 中国ライフサイエンス・ヘルスケアの法務 第5回 ~30年ぶりの化粧品監督管理条例改正と化粧品登録管理弁法, 化粧品生産経営管理弁法,化粧品GMP(1)~(弁護士 高槻 史)
1. 中国化粧品監督管理条例等の改正と施行
中国における化粧品関連規制については,基本法である化粧品衛生監督例が約30年ぶりに大改正され,化粧品監督管理条例が制定された(2020年6月16日改正,2021年1月1日施行)。
その後に,2020年12月31日化粧品登録管理弁法(2021年5月1日施行),2021年8月1日化粧品生産経営管理弁法(2022年1月1日施行),2021年9月30日に児童化粧品監督管条例(児童向けと表示する製品だけではなく,ファミリー向け等と表示する製品を含む。2022年1月1日施行)などの制定・改正が続き,今年に入って,2022年1月7日,新たな化粧品生産品質管理規範(化粧品GMP)が制定された(2022年7月1日施行)。
大きな流れとしては,医薬品,医療機器の関連法規の改正と平仄を合わせて,登記/届出名義人(MAH),生産企業及び経営企業の品質責任,トーレサビリティ,不良反応報告,リコール等の責任・義務が強化されたことが主眼となる。これらの改正に基づき,化粧品の標識・表示に関する規定の変更なども行われており,化粧品不良反応監測管理規則草案の公布など,医薬品・医療機器・化粧品の管理体系向上を掲げた政府の方針に従った改正が行われている。
本稿及びこの後数回に分けて,中国の化粧品規制の改正状況を紹介していきたい。なお,巻末に,本連載第一回目に掲載したライフサインエス関連法令一覧の化粧品部分をアップデートした表を掲載しているので,各種法令法規の改正状況については,そちらもご参考いただきたい。 ...(続きはPDFをご覧ください)
3. 中国ライフサイエンス・ヘルスケアの法務 第6回 ~河南省における越境ECによる医薬品小売輸入の試験展開について~(上海翰凌法律事務所 律師 張 鵬程)
中国国務院は、2021年5月8日、河南省において越境電子商取引(越境EC)による医薬品小売輸入のパイロット施策を打ち出すことを承認し、越境ECによる医薬品輸入小売制度を試験的に導入することを決定した。 経済産業省の「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば,令和2年において、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも増加し,中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆9,499億円(前年比17.8%増)であること(中国の越境EC市場規模全体は,4兆2,617億円(前年比16.3%増)),コロナ以前のインバウンド需要において,日本のOTC医薬品に対する中国の消費者の強い購入意欲があったこと,コロナ下・アフターコロナにおいても中国の消費者は,より一層,オンラインでの消費行動をとると想定されること,日本製品への高い関心・購買意欲が維持されていること等からすれば,越境ECで正規にOTC医薬品販売ができるようになれば大きな市場が開拓されることが期待され,また,中国市場において店頭でOTC医薬品を販売する場合の代理店網確保・大手ドラッグストアチェーンに卸すためのコネクション構築,棚台などの費用・時間的コスト負担を考えると,日本の製薬関連企業にとって,越境ECでのOTC医薬品販売は一つの有力な販路になりうるものと思われるため,その動向を紹介したい。 ...(続きはPDFをご覧ください)
4. 新法紹介
一、公布済の新規法令
1 「中華人民共和国民事訴訟法」改正 今回の改正民事訴訟法は、2021年12月24日、第13期全人代常務委員会第32回会議で可決され、2022年1月1日より施行される。今回の改正では、インターネットを活用した訴訟活動(オンライン訴訟活動)、少額・簡易訴訟手続、送達手続及び裁判官の単独制についての規定の修正、並びに用語の調整が行われ、合計7個の条項が追加され、26個の条項が修正されている。オンライン訴訟活動については、当事者の同意を取得することにより、民事訴訟活動をオンラインで行うことができ、オフラインで行われる民事訴訟活動と同等の法的効力を有するとされている。送達手続については、新たな送達方法として電子送達が追加され、被送達者の同意を取得すれば、人民法院は被送達者による受信を確認できる電子的方式で訴訟文書を送達することができるとされた。また公示送達の期限については、公示した日から30日を経過した時に、送達されたものとみなすと改正された。更に裁判官の単独制が採られる事件の範囲を拡大しつつ、一定の事由がある場合には単独制による審理を禁止する条項を新たに設けており、裁判官の単独制の柔軟な活用に向けた改正がなされた。... ( 続きはPDFをご覧ください)
5. 【中国からの風便り】上海10年ひと昔(弁護士法人大江橋法律事務所 弁護士 松本 亮)
私事ですが、早いもので、この2月で上海に駐在して10年となります。北京の留学期間も入れると約12年間、中国に滞在していることになりますが、この10年で上海は大きく変貌を遂げました。この10年で何が一番変わったのかと問われると、やはりスマホなしには生活ができなくなった社会の到来だと思いますが、それも含めて肌身で感じた変化
をご紹介したいと思います。
... ( 続きはPDFをご覧ください)