事業再生・債権管理Newsletter 2023年10月号を発行いたしました
2023.10.31
事業再生・債権管理Newsletter 2023年10月号を発行いたしました。
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1. 中小企業版事業再生ガイドラインを利用した廃業型私的整理手続における留意点(弁護士 庄崎 裕太)
1. はじめに
令和4年4月に中小企業の事業再生等に関するガイドライ ン(中小版GL)の運用が開始されてから、1年半が経過しました。中小版GLに基づく計画策定にあたっては、中小企業活 性化協議会における経営改善計画策定支援事業(405事 業)において、DD費用、計画策定支援費用、伴走支援費用 の3分の2(上限あり)の補助を受けることができます。かかる補助金との関係では、中小企業庁及び独立行政法人中小企 業基盤整備機構(中小企業活性化全国本部)が「経営改善 計画策定支援事業(ガイドラインに基づく計画策定等の支援 <中小版GL枠>)マニュアル・FAQ」(本マニュアル)を公表しておりますので、本稿では、中小版GLを利用した廃業型私的整理手続との関係で、特に留意すべき点をご説明いたしま す。なお、本マニュアルは、今後、改訂・変更される可能性がありますのでご留意ください。...(続きはPDFをご覧ください)
2. 民事再生手続開始後の脱退により生じた信用組合に対する出資金返戻請求権を受働債権とする相殺が
民事再生法92条1項により許容されないとされた事例~大阪地裁令和4年11月24日判決(金融・商事判例1670号44頁)~(弁護士 朝田 百合子)
第1 事案の概要
X(原告)は、協同組合であるY(被告)の組合員であったところ、令和2年1月に民事再生手続開始の決定を受け(以下「本件再生手続」といいます。)、同年9月にYを脱退する旨の意思表示をしました。
本件は、Xが、Yに対し、XのYに対する出資金501万円に係る返戻請求権(以下「本件出資金返戻請求権」といいます。)は、脱退の効力が発生する令和3年3月末の事業年度の終了日において組合財産が存在することが同年6月のYの総代会 において確認されたことにより停止条件が成就した旨を主張して、本件出資金返戻請求権に基づき、出資金501万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案です。
再生債権者であるYが本件出資金返戻請求権の停止条件 不成就の利益を放棄して行った、再生債権(YのXに対する貸付金残元金の債権1,008万4,057円及びこれに対する遅延損害金)を自働債権とし、本件出資金返戻請求権を受働債権とする相殺(以下「本件相殺」といいます。)が、民事再生法92 条1項によって許容されるか否か等が争われました。... ( 続きはPDFをご覧ください)
3. コラム:元書記官の独り言~債権届出事項③(届出債権の特定)のはなし~
私は、当事務所にて事務職員として勤務していますが、前職は大阪地方裁判所の裁判所書記官として、裁判所での倒産事務に携わっておりました。現在も当事務所の倒産事件につき弁護士をサポートしていますので、元書記官の視点から、今回は、前回に引き続き、債権届出書の記載事項のうち、届出債権の特定についてお話いたします。... ( 続きはPDFをご覧ください)