職場における健康情報の取扱いに関する主要論点の整理
産業保健の現場では、様々な場面において「職場における健康情報の取扱い」が根本的な問題として登場するが、法学からの議論の蓄積は必ずしも多くなく、見解の一致をみない論点も多い。そこで本稿では、「職場における健康情報の取扱い」に関する主要論点の整理試案を提示することで、この問題に対する「総論」の全体像を俯瞰することを目的とする。
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職場における健康情報の取扱いに関する主要論点の整理
1. はじめに:本稿の目的
2. 職場での健康情報取得に対する考え方:積極的たるべきか、消極的たるべきか
(1)一定のセンシティブな健康情報について、使用者による取得が制限されるか否か
(2)「知ったがゆえに求められる安全配慮」があるか
3. 職場での健康情報の取得手続
(1)要配慮個人情報に該当するか否か
(2)個別同意が必要か、就業規則の規定で足りるか
(3)センシティブな健康情報に関する「同意」の認定には慎重たるべきか
(4)事前の包括的な同意はどこまで許容されるか
(5)「同意不要」の例外が認められるのは具体的にどのような場面か
4. 職場での健康情報の共有と利用に関するルール
(1)産業医等は職場で知った労働者の健康情報について職業上の守秘義務を負うのか
(2)実務的に、どの情報について、社内関係者のどの範囲で、どのような形で共有・利用できるか/すべきか
(3)健康管理目的で取得した情報に基づいて人事上の措置を実施できるか
(4)健康情報の第三者提供はどのような場合に許されるか
5. 最後に
著者等:
菰口 高志
書籍名・掲載誌:産業保健法学会誌 3巻(2024)1号 92頁-104頁
出版社等:一般社団法人日本産業保健法学会
取扱分野:
労務アドバイス
人事・年金・福利厚生制度
出版日:
2024年07月19日
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