【オンラインセミナー】最新判例解説セミナー シリーズ第12回:共同不法行為に関する最新判例解説

2022.05.13

本セミナーで紹介する判例は、最高裁令和3年5月17日判決です。

複数の者の行為が損害の一部を惹起させたものの、個々の行為者の行為が損害の発生にどの程度の影響を与えたか明らかでない場合があります。
これを累積的競合・寄与度不明の共同不法行為といいます。
この問題に関する民法719条1項後段は、「複数の者のいずれの行為によっても、被害者の損害を個別に惹起し得る」場合の規定です。
この場合は「因果関係の証明責任の転換」が認められ、複数の者全員が連帯して損害賠償義務を負うことになります。
したがって、「被害者の損害を個別に惹起し得る」ことの「証明がない場合」は、民法719条1項後段は適用されません。
本判例は「個々の行為者の行為と損害との因果関係の証明が困難である」事案であり、上記の「証明がない場合」になります。
それにもかかわらず、この事案について、被害者保護のために民法719条1項後段の「類推適用」をしました。
その結果、証明責任が転換されて、寄与度が不明な個々の行為者についても、発生した損害の限度で連帯責任を負うとしました。
共同不法行為に関する議論は錯綜しています。
最高裁令和3年5月17日判決は、民法719条1項後段の趣旨について、初めて明らかにした判例です。
本セミナーでは、共同不法行為に関する「最近の最重要判例」である本件判例の意義と適用範囲について検討します。

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日時: 2022年05月13日(金) 15時00分~ 16時00分
講演者等:林 圭介
主催等:弁護士法人大江橋法律事務所

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