前回フランチャイズに関する最新判例解説を開催させていただきました2022年12月以降も、情報提供義務違反、競業避止義務違反又はフランチャイズ契約の解除の有効性といった、一見すると争点自体は従前より問題となっている裁判例が相当数公刊されております。もっとも、中には事実関係の特殊性から従前より問題となっている裁判例とはやや異なる争点に関するものも見受けられるところですので、本セミナーでは、これらの最新の裁判例をご紹介したいと思います。
　また、食べログ事件（東京高判令和6年1月19日）は本部と加盟者間の紛争ではありませんが、フランチャイズにおいて問題となる優越的地位の濫用に関する重要な裁判例となりますので、併せご紹介させていただきたいと思います。

（本セミナーで紹介する主な判例）
・加盟店を募集し、加盟店に対して本部が開発した商品を卸売りする権利を本部から付与された業者が契約期間中に類似商品を販売した行為が競業避止義務違反であると認められた事案（東京地判令和4年3月2日）
・フランチャイズ契約終了後の元加盟者による商標登録が「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」（商標法第4条第1項第7号）に該当すると認められた事案（知財高判令和4年9月14日）
・加盟者の競業避止義務違反と併せ加盟者の代表者が競業避止義務を潜脱するために設立した法人の不法行為責任が認められた事案（東京高判令和4年10月28日）
・対応する業務が実施されていないとしてフランチャイズ制度構築のためのコンサルティング報酬の返還の可否が主な争点となった事案（東京地判令和5年4月18日）
・加盟者の廃業に伴い本部から派遣された従業員のみで店舗を稼働したことが加盟者による無断転貸及び本部による不法占有に該当するか否かが主な争点となった事案（東京地判令和5年10月2日）
・飲食店ポータルサイトのアルゴリズムを同一運営主体が複数店舗を運営している飲食店（チェーン店）の評点を下方修正するような変更を実施し、継続している行為が優越的地位の濫用等に該当するか否が主な争点となった事案（東京高判令和6年1月19日）

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