1.数ある法律事務所の中から
なぜ大江橋で働くことを
選んだのでしょうか。
角野扱っている業務分野の幅広さと、弁護士同士の距離感のバランスが絶妙だと感じたことが大きかったです。企業法務の各業務分野について大きな偏りがなく専門の弁護士がいる中で、全員の顔が見える距離感で幅広い案件に携わることができる環境というのは、大江橋の規模感と育成方針ならではだと感じました。「どんな分野が自分に合うかは、実際に業務に触れてみないと分からないはず。」と考えていた私にとっては、とても魅力的な環境でした。
また、若手には最初から専門分野を決めて特化させた方が、育成する側の弁護士から見るとある意味楽な面も多いのではないかと思います。しかし、大江橋ではそのような方針をあえて取っておらず、若手が各々の興味分野やペースに合わせて専門性を深めていくことができるという点でも、長い目で見た弁護士としての成長を重視してくれていると感じ、その点も大きな決め手になりました。
土井東京を含め色々な事務所を回りましたが、ともかく大江橋は自由な事務所だと感じ、そこに魅力を感じました。自分の信念に従って自由に働くことができるということで弁護士を志したこともあって、年次関係なく、一人一人が独立した弁護士であり、互いに尊重し合う(互いに尊重するというより、一人一人の弁護士が「俺はこういう人間だ」と強烈な個性を主張し合うといったイメージの方が正確かも知れません。)という大江橋の雰囲気は魅力的でした。
また、人と話すこと、知らない世界に触れること、外に出ることが好きだったことも弁護士を志した一因でした。当時学生であった私としては、これをどのように実現すればいいのか、特定の分野と結びつく話なのかも全く分からなかったので、正直に「どの分野をやりたいのかははっきり決まっていないが、事務所に籠りっぱなしは嫌だ、人と話したい、知らない業界のことに触れてみたい、ともかく外に出かけたい」と今思うと恥ずかしい内容を、様々な事務所で相談をしていました。どの事務所からも、「それなら、この分野が合っていると思う。」などと具体的かつ前向きな話をいただけたのですが、大江橋のリクルート担当からは「そんなこと弁護士なのだから当たり前だ。当然できるし、やってもらわないと困る。」と言われたことも自分の中では印象に残っています。
実際に入所してみますと、入所する前に思っていた以上に、主体的・積極的に案件に取り組むことができていますし、そうすることが求められていると感じています。
渡辺大きな理由としては、ベテラン、若手に関係なく意見が尊重される雰囲気を感じた点が挙げられます。私はスプリングクラークで初めて大阪オフィスに来たのですが、実はその当時は東京で就職するつもりでしたので、課題についてもあまり評価を気にせず、自分の考えるところに従い、かなり期が上の弁護士の意見でも疑問に感じた点はそのように指摘させてもらいました。今振り返ると生意気であったと思いますが、オファーを頂いた際は、そうした点を評価していただいたと聞き、そのような点がきちんと評価されるのであれば、若手のうちからも自由に意見を言いやすいと考え、決め手の一つにしました。
また、人数だけでみれば大阪では一番大きく、東京大阪でそれぞれ70人程度が所属している事務所は大江橋だけでしたので、そういった点は他の事務所にないアイデンティティであり、それ故幅広く面白い事件が扱えそうと思ったのも理由の一つです。
2.大江橋の教育制度や
先輩弁護士との
関わりについてなど
執務環境について教えてください。
角野私は入所時に、「訴訟案件には必ず入りたいが、それ以外にも幅広い案件に触れてみたい。」と希望していたところ、1年目の間は、訴訟、保険、M&A、ファイナンス、労働等、かなり幅広い案件に入らせていただくことができました。「この分野の案件に入ってみたいです。」と指導担当弁護士に話をすると、どこから伝わるのか、すぐにその分野を専門とする弁護士から案件を振ってもらえたということも多々あり、若手の発信に対する即応性・柔軟性があるのはとてもありがたい環境だと感じています。
業務面では、年次が上の弁護士が最初に方針を決め、それに沿って動くというよりは、方針決めの段階から、「まずあなたはどう思う?」と聞かれ、1年目であっても先輩弁護士と対等に意見を述べ、議論を深めていく土台を作ることが求められます。当然緊張感はありますし、議論の中で自分の考えの浅さに落ち込んだことも沢山ありますが、同時に、自分で主体的に案件を動かしていくことへのやりがいも大きく感じます。経験面では先輩弁護士には敵いませんが、その案件について、一番詳細に読み込み、具体的事情を隅々まで把握している状態にいることは、若手弁護士の重要な役割かなと思うので、その点は意識して案件に臨むようにしています。
土井ともかく案件をこなしていくなかで弁護士としてのスキルを身につけていくスタイルだと感じています。プールで練習したり、浮き輪を付けたりすることなく、とりあえず着の身着のまま、見よう見まねでいいから大海原で泳いでみようという感じでしょうか。そうした中で溺れないように必死に泳ぐ、本当に溺れそうになったら一緒に泳いでいる先輩が救命してくれるーそんな1年間でした。1年目のときの指導担当弁護士からは、案件が弁護士を育てるとの話をよく聞いておりましたが、まさにそのとおりだと思います。実際の案件を目の前に、依頼者の方や相手方とのやり取りを含め、自ら案件処理に当たることで初めて身に付くことが多いと思います。
事務所の規模としては、多種多様な弁護士が在籍しつつも、メンバー全員の顔が見える規模なので、ちょうどいいと感じています。それぞれに個性豊かで、独自のスタイルを持っている色々な弁護士と協働することで、様々なスタイルを学ぶことができます。ただ、一方で、単に色んな弁護士と協働してみるだけではなく、同じ弁護士と複数の案件を協働することの大切さも最近感じています。似たような案件・状況であっても、案件ごと、依頼者・相手方ごとに、それぞれ最適な対応というのは異なってきます。状況に応じた柔軟な対応ができることは、業務に深みをもたせることであり、弁護士として重要なスキルであると感じています。そういう意味で、指導担当弁護士はもとより、他のパートナー弁護士や先輩アソシエイト弁護士を含めて色々な弁護士と、何度も協働することのできる環境を通じて、日々多くのことを学べています。
渡辺基本的にOJTだと思います。そういう意味では一から手とり足取り教えてもらいたい人には辛いかもしれません。ただ裏を返せば、一年目から本当に色々な案件を任せられるので、最初から主体的に案件に関与したいという人には向いていると思います。手とり足取りではないと言いましたが、もちろん事務所事件は先輩方と協働しますので、わからないことがあれば相談できますし、起案は当然修正されます。また議論の場では、年次は関係なく扱われ、自分の考えに誤りがあればその場で指摘されます。そういう経験を通して日々学んでいくというイメージです。個人事件は一人で担当しますが、それについても悩みがあれば先輩方に相談にのっていただくことも多いです。なお、東京大阪それぞれで70人程度の事務所ですので、案件を協働するか否かに関係なく、先輩方と日常的に接点はありますし、飲みに連れていっていただく機会も少なくありません。
3.オフの日は何をしていますか。
ワークアンドライフバランスは
保てていますか。
角野学生の方からよく、「普段は何時頃まで働いていますか。」という趣旨の質問をいただくのですが、仕事の性質上、業務量に波があるため、明確に答えるのが中々難しいというのが正直なところです。重めの案件があったり、複数の案件の動きが重なったりして、遅くまで働くこともままありますが、他方でふっと波が引いて落ち着く時期もあるので、その時は目一杯リフレッシュするように意識しています。私は演劇、お笑い、スポーツ観戦が趣味なので、休みの日は舞台を見に行ったり、お笑いのラジオを聞いたり、スポーツを見るなどして息抜きをすることが多いです。
土井旅行が趣味だったので、案件が一段落したタイミングなどで、どこかふらっと旅に出られればといつも考えています。1年目の夏は、4泊5日で九州を廻りました。また、修習のときに始めたゴルフを今でもたまに続けています(まだまだ、初心者の域を出ないのですが)。
確かに、どの案件も初めてのことばかりで、何をするのにも先輩方より時間がかかりますし、突如としてやってきて、短時間で成果を出さないといけないという案件も少なくないので、どうしても自分の思うとおりに時間をコントロールすることが困難であるという側面はあります。ただ、今のところ、どの案件にも興味関心と目標をもって取り組めておりますので、忙しさの中にもやりがいと楽しさを感じています。
渡辺オフの日は友達と飲みに行ったり、映画館や買い物に行ったりすることが多いです。少し長めの休暇となれば帰省したり、旅行に行ったりすることもあります。ワーク&ライフバランスですが、一般的な職業に比べればワークの比重が高くなることは否めないと思います。ただ、それは職業柄仕方ないとも思いますし、面白い事件ほどきちんと携わろうと思えばどうしても時間がかかりますので、やりがいと対価関係なのかなとも感じています。そうはいっても、ライフあってのワークですので、忙しいときは案件を断ることもありますし、絶対に休みたいときは予め業務を入れないようにすることもしています。
4.やりがいを感じること、
チャレンジを感じることは
ありますか。
角野1年目の間に入らせていただいた案件はどれも新鮮で、やりがいを感じるものばかりでしたが、特にチャレンジを感じたのは、先例がない案件に携わったときでした。明確なセオリーがない中で、議論の歴史的な経緯や趣旨を遡ってみたり、他分野で参考になる類似事例がないかを探したり、思考の軸を縦に横にフルに動かしながら、一から方針を組み立てていく過程が非常に面白いと感じています。特に、全く先例がない論点に関する訴訟の場合は、判決が出た場合の実務への影響も大きいため、初期段階からそのような実務的な影響を視野に入れて動いていく必要があるという点でも、やりがいを感じます。
土井月並みですが、自分のアイディアが案件において採用された際にはとても嬉しく感じます。また、依頼者の方から直接自分に連絡・相談をいただけたときには、嬉しく思うとともにもっと頑張ろうと思います。
どちらかというと、自分自身は、ギリギリの追い込まれた状況で、何とか現状を打開することに喜びや達成感を感じるタイプだと思っています。倒産・再生案件や企業不祥事系の案件では、依頼者の方は、会社の存亡にかかわる重大な問題を抱えていらっしゃり、かつ、時間に余裕がなく追い込まれた状況で相談に来られることが多いです。そのような危機的状況に対して、弁護士が、できる限りのサポートを行い、状況を整理し、今後の筋道を示すことで何かしらの活路を見出せればと思っています。思いつめた顔で相談に来られた依頼者の方が、案件を進める中でホッとした表情をされたときには、頑張ってよかったなと感じます。
渡辺依頼者から感謝されたときはやりがいを感じます。印象に残った案件として、他事務所で難しいと言われて大江橋に依頼が来た仮処分の案件があったのですが、それをどうにかして勝訴的和解に漕ぎつけることができ、依頼者に心から感謝されたときは、弁護士としてのやりがいを感じました。
また、幸いなことに、私が関与している事件はどれも面白いものが多く、最高裁に係属するようなものも存在します。そういった案件ほど大変であることは否定できませんが、素直に知的好奇心をくすぐられますし、若手のうちからこのような案件に主体的に関与する経験が積めることは、大江橋に入所してよかったなと思うとともに、非常にやりがいを感じています。
5.将来どんな弁護士に
なりたいですか、
またどんな仲間を
増やしていきたいですか。
角野将来的には、大江橋の自由度の高い環境を活かし、自分ならではの切り口での専門性を持ちつつ、それ以外の分野についても勘所を押さえているような、裾野の広い弁護士になりたいです。有限な時間の中で、これらを両立していくのは決して簡単なことではないとは分かっていますが、そのようなチャレンジができるのは大江橋の環境だからこそではないかと思います。ですので、気を引き締めつつも、大江橋ならではのチャレンジに対してワクワクする気持ちを忘れずにいたいですし、同じような気持ちを持つ仲間がいてくれたら、とても嬉しく、心強いなと思います。
土井とりあえず何かあったら土井に聞いてみようと思っていただけるような弁護士になれればと思います。依頼者の方はもちろん、同僚を含めた同業者、相手方、関係者や裁判所からも信頼していただけるような弁護士になれればと考えています。
そのためには一つ一つの案件に、丁寧かつ誠実に取り組み、信頼を積み重ねていくことが唯一の方法だと思っています。大江橋の先輩方には現にそうした強固な信頼を勝ち得ている弁護士もいます。
そうした先輩方の背中を追いつつも、自分らしさ、自分にしかできない付加価値(専門性はもちろんのこと、それだけには限らないと思います)を身につけ提供していくことで、誰にも真似できない、他と比べようのない弁護士になれればと思います。
多様性も大江橋のいいところだと思っているので、様々な個性をもち、1人の弁護士として、自分をしっかり主張していけるような人がたくさん増えればいいと思っています。
渡辺私はそもそも「絶対にこの分野がやりたい」という明確なビジョンがなかったこともあり、この事務所を選びましたので、まだ専門にしたい分野は特にありません。ただ、どのような分野を扱うにせよ、同業者から一目置かれるような弁護士になりたいとは思っています。
仲間については、大江橋は基本的に多様性を尊重する事務所だと思いますので、どのような方でも来ていただけたらと思いますが、いつでもこの仕事は当然ですが楽しいことだけでなくしんどいこともありますので、そのどちらも一緒に楽しんで頑張ってくださる方に仲間になっていただければ嬉しいです。